気分も、スタイリングも、明るく。

いよいよ今シーズンのウールストールがリリースになります。
3年前から毎秋冬リリースをしていたウールストールのシリーズ。
1stから3rdまでウール×コットンのモノトーンカラーで、1枚の生地に”織り”で様々な表情を表現してました。

昨年はウールストール3rd(Four Face Wool Stole〈Monotone〉)

marumasuさんとコラボレーションで生まれたシルクストール(Silk Stole 〈No,No,Yes! VS marumasu〉

毎年とても好評いただき、首に巻くのはもちろんソファに敷いたり、中にはベッドリネンとして使われたり、バージョン違いでお持ちの方も多くいらっしゃるかと思います。
(僕自身もベッドリネンとして使っています。贅沢ですが、シルクは特に最高です。)

ストールというアイテム特性上、+α防寒のアイテムなので使用するのは秋~冬となると、どうしても暗めのスタイリングが主となる時期ですのでちょっとだけ重くなりがちというお声も頂いてました。

そこで今年はいくつかのポイントをピックアップして、アップデートしたものをリリース出来ないかと模索。

・モノトーンではなく、発色がキレイなカラーリング。
・ウールでチクチクせずに首周りへ巻けるように。
・ボリュームは抑えめで、今までのシリーズも活かせるように。

以上を念頭において協力していただける工場さんを探しました。

「ワガママを実現できる技術。伝統と革新の技巧」

そこで出会ったのは今回一緒にお取り組みをしていただいた、澤井織物さん。
澤井織物さんは多摩川と秋川の合流点近く、八王子市の長閑な水田風景が広がる地区の一画。

八王子は約500年前から養蚕が奨励されており「多摩織」という絹織物が作られていたという歴史があり江戸時代には地の利もあって桑都(そうと)として賑わい、絹織物がとても盛んだったという。

元々入り組んだ道が非常に多く、天然の要害を活かした高月城址のお膝元。
ゆったりと流れる時間の中、工場外にも聞こえる規則的な「カタンカタン」という織機(しょっき)の音。

その江戸時代から続く澤井織物工場4代目。 伝統工芸士・澤井さんの元で今年の秋冬用ストールは作られます。

創業以来着物地を織り続け、流れる時代に合わせて培った技術を生かして織りと生地の開発を行ってきたというレジェンド。

伝統工芸・多摩織を今でも織り、伝統を守りながらもMoMAコレクションに選ばれるオリジナルマフラーを生み出したり
2016年にはGoogleとLEVISの共同プロジェクトの “プロジェクトジャガード” *に技術提供を行うという驚愕の振り幅の広さ。

広い工場の敷地内には古くから使われている手織り機や動力織機(機械)が並んでおり今でもそれらを織りの種類やサイズによって巧みに扱い分けながら国内外のハイブランドに 生地やアイテムを納入しています。

(*GoogleとLEVIS共同の洋服でスマホなどを操作するというウェアラブルデバイスジーンズ 開発プロジェクト。日本から数社がパートナーとして選ばれたとのこと。)

そんな敷地内で多摩織を織りながらも

手織り機で銅線を織り、シート状にするなど

古くから伝わる技術も継承しながら、新しい試みを行い、生み出している。

その幅の広さこそが、今回の希望する内容をすべて実現してくださいました。

「数千本の糸が織りなす色彩」

今シーズンNNYで展開するストールは首周りがチクチクしないよう、カシミアのように滑らかな超極細ウール糸を用いて
ドビー織機というシャトル織機の1種(緯糸が行ったり来たりして美しい生地の”耳”が出来る)で織られた色鮮やかなマルチカラーの1枚。

数千本に及ぶ経糸(タテ)を綜絖(そうこう)と呼ばれる経糸を上下に動かすワイヤーに1本1本手作業で通し

その上下にある経糸の間を緯糸が巻かれた管を入れたシャトルと呼ばれるものがとてつもない速度で往復する。
(スペースシャトルはこのシャトルに似てるから、という説もあるらしい)

そしてリードと呼ばれる箇所で経糸・緯糸を打ち込んでいく

(糸が白っぽいのは細すぎて織ってる最中に切れるのを防ぐために水溶性ビニロン糸をカバーリングしているため。最終仕上げでカバーリングを溶かします)

こうして、ようやく1枚が出来る。

「今年の冬はきっと明るくなります」

経糸で8色。緯糸で6色。 可能な限りの糸色を用いてマルチカラーに。

しかも使用している糸はモノトーンを除き、全てオリジナルのカラーリング。
糸から染色していただき、どの様な見栄えになるのか何度もシミュレーションを重ねて発色の良さを最大限に活かせる配置にし
のっぺりとした表情にならないよう杉綾(ヘリンボーン)と呼ばれる柄に。

そして過去リリースのストールと比べて2まわり以上コンパクトにしたので 首周りにクシュクシュっとコンパクトに巻くか、そのまま垂らして着用も可能です。

生地自体も薄いので、過去リリースのウールストールやシルクストールと組み合わせボリュームを出すように巻いていただいても。

(マルチカラーストールとシルクストールを組み合わせて巻いてます)

Multi Color Wool Stole (Rainbow)本日リリース!
是非、ご覧くださいませ。