幸せのしるし 吉祥文様の所作

 

 

新年の迎え方って

年末から決まるんじゃなくって

 

去年くらいから決まっていたんじゃないかって

思うことがある。

 

ぼくが

今こうして、カタカタと文章を書くのは

ずっと前から決まっていたような気がする。

 

 

「縁起」

全てのものごとは、原因や条件が相互に関係しあって成立しているものであり原因や条件がなくなれば、結果もなくなる

<仏教の根本的教理・基本的教説の一つ>

 

 

 

縁起の良い日

といえば大安や寅の日、天赦日、一粒万倍日など近頃よく目に耳にしますね。

 

縁起のいいもの

例えば、

茶柱がたつ、朝蜘蛛、白蛇、燕が家に巣をつくる、など

 

偶然見たりすると「これは何かの前兆では?」

そう思うこともあります。

 

 

 

ふとした時に

 

あるいは

何かにすがりたいときや

 

困ったときに

 

気持ちを前向きにしてくれる

 

縁起がいいもの。

 

 

 

占いみたいに、いいことだけを信じるような

幸せのしるしをポケットに

 

 

 

 

 

 

 

 

おめでたい文様、吉祥文様(きっしょうもんよう)

 

 

~吉祥文様とは、縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄を言う。世界各地でもあるが、特に東アジアで広く愛用されるものが多い。多くは晴れ着や慶事の宴会などの調度品などにあしらわれ、普段使いの品物にもよく見られるが凶事には使われない~wikiより

 

 

「吉祥(きっしょう)」という言葉は

「良い前兆、めでたいきざし」という意味。

 

良い兆し、しるし

想いを模様で表現したものが吉祥文様です。

 

縁起が良いとされている図柄をベースに、着物の礼装や帯に用いられています。中国やアジア圏の信仰や思想が元となった吉祥文様。

 

 

 

 

シルクロードがもたらしたもの

 

 

 

シルクロードといえば、

学校で習った万里の長城の絵が思い浮かびます。

 

その経済的、文明的の歴史背景は調べていただくとして

 

その名称どおり、

シルクロード=絹の道の歴史的事実

 

 

5世紀に絹織物が日本に伝わる。

 

絹だけではなく、織り方や柄などシルクロードを通じてアジアに伝えられていった。(宗教や哲学、紙や火薬。病気なども)

 

ヨーロッパから、西の果てと言われる日本では

奈良の正倉院にペルシャ製の宝物が見られるように、奈良時代からその記録が残っている。遣唐使。

 

 

地球の道を伝わり、

土地性、国民性、価値観、

長い年月を経て

その国独自の変化をする。

 

各国の民族衣装はその最たる例ではないでしょうか。

 

 

そして

いま日本にある吉祥文様は平安時代に中国から伝わったとされ

日本独自の「吉祥文様」に変化したもの。

 

 

豊かな自然や四季、季節の移ろいの中に

情緒を見つけ

取り入れ、親しみ、

日本人の感性で作りあげられてきた

 

 

文様のルーツ。

 

 

 

 

所作×吉祥文様

 

 

 

言わずもがな

「鶴は千年、亀は万年」長生きの象徴

おめでたいことの起こる前兆とされる鳥が空を飛ぶ。

 

高貴で誇り高く見え

文様でも品位ある吉祥文様として早くから意匠化されていました。飛ぶ様は飛鶴(ひかく)。

 

「飛鶴 風」

 

 

 

 

梅の花

 

春の訪れを感じさせる柄

冬の寒さがやわらぎ、春がやってくる

まだ冷たい風が吹く中、咲く梅の花。

 

松竹梅の梅。

国宝「紅白図屏風」にも見られるように

古来からの数多くの美術品のモチーフになっている

花言葉「不屈の精神」「忍耐」

 

「梅の花 春」

 

 

 

 

 

破れ亀甲花菱

 

かめの甲羅のように

かたく身を守ることで長寿や健康に良いとされている。

亀甲文様は奈良時代に日本へ伝えられた。

亀の甲を焼いて、そのひび割れの方向で占いをし、神の意と考えられていたようです。ただ、当時は貴族のものであり、見ることすらできなかった格式高い文様。

 

紙幣の象徴としても金運が良くなるなど

あらゆる意味で縁起が良いものとされている。

ちなみに

鬼滅の刃では、たくさん吉祥文様の衣装が使われています。
冨岡義勇の衣装は、「毘沙門亀甲」をアレンジした柄です。

 

「亀甲 破」

 

 

 

 

Leather&Silk Akiito

「革の上で着物の染色を表現する」

 

 

 

京都で約95年続く呉服屋さん

No No,Yes!との出会いあり、吉祥文様の所作を染色いただくことに。

 

 

 

 

製法としては

染まらないように、染める

 

 

ステンシルって表現でお分かりになる方も多いかと思います。

 

 

文様がないところを染めることで、

より強調して浮き出るかのようですね。

 

 

プリントで柄をえがくよりも、手間と技術を要します。

もちろん染めること自体が大変に手間隙をかけるもので、簡単に言い過ぎかもしれませんが・・・

 

 

なんにせよ

ところどころの染めていないところ(文様部分)のかすれ具合や

縁の濃淡(少し濃くなっている)が素晴らしく魅力的。

 

 

パッと見でも違いがわかるんじゃないでしょうか。

 

 

不在の存在感のように

染めていないことで、より柄に描かれるものを見てしまう。

 

 

 

 

 

独自の枠をつくっていただき、

長年”着物の染色”で培った独自の技術を

所作の革にあわせて

染めていただきました。

 

 

所作を開くとわかるのですが、

その余白(実際に染めているところ)にも文様の存在を感じてしまいます。

 

 

 

吉祥文様×所作

 

Longwallet

Cardcase

 

オンラインショップ、銀座店にてリリースいたします

 

 

 

 

 

ものごとを知る

 

 

 

 

前回訪問時に見せていただいた

お孫さん(1歳)のお宮参り用にと、つくられた祝い着

 

 

鯉のリクエストは

そのお兄ちゃんだったかな。

 

シルクを桶染めして、そのあとに鯉を手で描いている

それはそうなんだけれど

 

例えるなら

手紙(年賀状)とLINEの違いのような

 

 

お孫さんに向けられている愛や

お宮参りで使われるところを想像して、描く時間。

 

 

今にも飛び出して、泳ぎ出しそうな鯉と愛に

人ごとながらに感動しました。

 

大人になって、この時の写真を見た時に

気付いてくれる、といいですね。

 

 

 

 

単なる手間隙って言葉では片付けてはいけないものって

世の中には多すぎる。

 

もちろん気付いていないことだって多すぎると思う。

 

着物だって、「染める」より「プリント」に。

でもそれって、ごく自然の流れのようで

あらがいようない事実なのかもしれないけれど。

 

 

ものごとを知る

 

それがきっかけになる、と思う。何かの。

 

 

 

きっと

 

今年じゃなくて、来年でなくとも

 

何十年後だろうと

 

いま知ったことは、きっとあとに残っていくんだと思う。

 

 

 

 

 

nakabayashi

 

 

 

 

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